Brahms : Violin Sonata,No.3,in d,,Op.108
ヴァイオリンソナタ第3番 ニ短調 作品108は、ヨハネス・ブラームスが作曲した3番目のヴァイオリンソナタ。第3番を最後としてブラームスはヴァイオリンソナタを作曲していない。ヴァイオリンソナタ第2番を完成させた直後の1886年から1888年にかけて作曲されたものである。
公的な初演は1888年の12月21日(22日とも)にブラームス自身のピアノ、ハンガリー出身のヴァイオリニストのイェネー・フバイによって、ブタペストで行われた。1889年にベルリンのジムロック社から出版され、良き理解者であった指揮者のハンス・フォン・ビューローに献呈された。
ブラームス:ヴァイオリンソナタ第3番 ニ短調の構成
全4楽章で、演奏時間は約30分(22分ともされる)。
ヴァイオリンソナタ第3番 : 第1楽章 アレグロ
GooglePlay Music : Sonata for Violin and Piano No. 3, Op. 108: Allegro
ニ短調、4分の4拍子。ソナタ形式による楽章。ヴァイオリンがロマン的でメランコリックな第1主題を奏で始めると、ピアノが右手と左手で穏やかなシンコペーションを奏し、効果を演出する。展開部は静かな情緒が見られ、終結部は静謐に終える。
ヴァイオリンソナタ第3番 : 第2楽章 アダージョ
GooglePlay Music : Sonata for Violin and Piano No. 3, Op. 108 : Adagio
ニ長調、8分の3拍子。3部形式によるカヴァティーナ風の穏やかな楽章。ゆったりとしたテンポでG線のヴァイオリンで奏でる柔和な歌に始まり、抒情性豊かに歌われる。
ヴァイオリンソナタ第3番 : 第3楽章 ウン・ポコ・プレスト・エ・コン・センティメント
GooglePlay Music : Sonata for Violin and Piano No. 3, Op. 108 : Un poco presto e con sentimento
嬰ヘ短調、4分の3拍子。3部形式によるスケルツォ風(2拍子)の楽章。嬰ヘ短調と悩ましげに始められ、ホ短調になるとますます憂愁になり、暗い情感が全体を覆う。また冒頭の重音の音型が後半で反復される際はピツィカートに変えられる[2]。
ヴァイオリンソナタ第3番 : 第4楽章 プレスト・アジタート
GooglePlay Music : Sonata for Violin and Piano No. 3, Op. 108 : Presto Agitato
ニ短調、8分の6拍子。ロンド・ソナタ形式による。これまでの憂愁な雰囲気や感情を払いのけるかのように、激しい響きの重音で開始する。また最も技巧的に書かれ、これまでのヴァイオリンソナタには見られない。終結部は最強音で曲を終える。第1楽章と同じく、シンコペーションが効果的に使用されている。